令和2年4月2日
(令和2年4月16日更新)
人文社会科学研究群の新入生の皆様
人文社会科学研究科の在学生の皆様
人文社会科学研究群長
(人文社会科学研究科長)
竹 中 佳 彦
春学期の授業等について
新入生の皆様、このたびは筑波大学大学院人文社会ビジネス科学学術院人文社会科学研究群へのご入学、誠におめでとうございます。
皆様には、今後の大学院学生としての生活に胸躍らせていらっしゃることと思います。
在学生の皆様も、新年度を迎え、ご研究の一層の発展に向けて、気持ちを新たにされていることと思います。
ご存じのように新型コロナウイルス(COVID-19)が猛威を振るい、3月11日、世界保健機関(WHO)の事務局長がpandemic(世
界的な大流行)とみなせると表明しました。それを受けて翌日、筑波大学では、4月5日に開催予定であった大学院入学式を中止せざ
るをえないと判断しました。今年度から筑波大学大学院が改組し、新たな体制で皆様を盛大にお迎えする予定でしたのに、それが行
えなくなってしまったことを、教職員一同、大変残念に思っております。
その後も、新型コロナウイルス感染症の拡大はとどまるところを知らず、中国や韓国、イラン、イタリアだけでなく、米国、
スペイン、ドイツ、フランス、英国、さらには中東、東南アジア、アフリカでも大規模感染が広がっています。東京オリンピック・
パラリンピックは延期となり、3月下旬からは首都圏での感染拡大に歯止めがかからず、日々、深刻さを増しています。海外では、
overshoot(爆発的患者急増)して医療体制が崩壊し、外出禁止・営業停止・出社禁止などのlockdown(都市封鎖)をしているとこ
ろがあり、小池百合子東京都知事は、3月25日、「何もしないで推移すればロックダウンを招いてしまう」と発言しました。
新型コロナウイルスは、「飛沫感染」「接触感染」が主ですが、5μm未満の飛沫として空気中を漂う「エアロゾル感染」も報告
されており、数メートル離れていれば安心だというわけではないようです。若年層は、新型コロナウイルスに感染しにくいという
見方がありますが、重症化しにくい傾向はあるとしても、死者も出ており、けっして侮ることはできません。また新型コロナウイ
ルスは、不顕性感染(無症状感染)でも他人を感染させることがあるとされています。自分を守るとともに、自分の周りの人を守
るための対策をとることが、新型コロナウイルス感染症拡大への防止策として重要です。
厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は、3月9日、「集団感染が確認された場に共通するのは、①換気の悪い
密閉空間であった、②多くの人が密集していた、③近距離(互いに手を伸ばしたら届く距離)での会話や発声が行われたという3つ
の条件が同時に重なった場で」あると指摘しました。3月19日の提言では、学校現場において、「①換気の悪い密閉空間にしないた
めの換気の徹底、②多くの人が手の届く距離に集まらないための配慮、③近距離での会話や大声での発声をできるだけ控えるなど」
して、cluster(患者集団)が発生しないようにすることを求めています。
このような状況を受けて、筑波大学は、多くの学生が対面で一箇所に集まる状態をできるだけ避けるために、令和2年度の春学
期の授業開始を4月27日(月)からに変更しました。また4月1日には、令和2年度の春学期ABCモジュールに開講する科目は、大学
院の科目も含めて、原則としてオンライン授業で実施することを決定しました。
授業開始が遅くなったといっても、それは春休みの延長を意味するのではなく、健康状態を維持・管理する期間であるということ
に留意してください。現在、学生宿舎やアパートに引っ越しをしておらず、あるいは帰省中で、実家等にいる方は、公共交通機関
での移動を避けるため、実家等にとどまり、不要不急の外出を避け、自分の身の安全を確保してください。やむをえず学生宿舎や
アパートに引っ越しをせざるをえない方も、引っ越しをした後は不要不急の外出を避け、健康管理に十分に注意してください。海
外渡航はもちろん厳禁ですが、不要不急の国内旅行や飲食会なども慎んでください。
院生研究室は4月20日から5月6日までの期間は閉室とします。附属図書館等、学内の諸施設の利用については、それぞれの施設に利用前にご確認ください。
皆様のだれかが新型コロナウイルスに感染してしまうと、皆様と濃厚接触していた人は全員、2週間にわたる自宅待機を余儀なく
されます。人混みを避ける、石鹸による手洗いをする、手で顔を触らない、毎日の検温をするなどして、自分だけでなく、他人も
感染させないように心がけてください。
新型コロナウイルス感染症対策については、以下のURLやそのリンク先を参照してください。
http://www.tsukuba.ac.jp/campuslife/ceremony/orientation-2020-5.html
http://www.tsukuba.ac.jp/about/antidisaster/covid-19-list.html
私たちは、教育の方法としては、対面による授業が最善の効果を上げられると考えております。しかし対面による授業を行った
結果、人文社会科学研究群・人文社会科学研究科でclusterを生むことは絶対に避けなければなりません。そこで、人文社会科学研
究群・研究科としても、原則としてすべての科目をオンライン授業で行わざるをえないと判断しました。
講義については、筑波大学のe-learningシステムであるmanaba上に、動画のリンク先を掲載してそこから講義を視聴してもらっ
たり、講義資料と音声を掲載して資料を見ながら講義を聞いてもらったりするなどの方法を考えています。受信機器のトラブル、
ブラウザのトラブル、通信容量の不足などに対応できるよう、リアルタイム配信型ではなく、オンデマンド型(あらかじめ録画し
ておいたビデオを学生が視聴する)で講義を提供することになりますが、学生の皆様は、本来開講されている時間帯に視聴するよ
うに努めてください。また視聴したことを確認するレポート等が毎回課されることになります。ただし授業での著作物利用には、
著作権法上の問題がありますので、掲載できない資料もあります。テキスト等は、manaba等での担当の先生の指示に従って入手
してください。
演習については、オンデマンド型で実施することはできませんので、あらかじめ電子メール等で資料を参加者に配付し、ZOOMの
ようなパソコンやスマートフォンを使ってセミナーやミーティングを行えるアプリや、LINE,Skypeなどのビデオ通話を使って実施
することになると思われます。ただ、うまく接続できないなどのトラブルが起こる可能性もあります。
具体的にどのような方法で実施するかは、各科目を担当する先生から、後日、お知らせすることになります。
私たちは、4月27日までの間にオンラインによる遠隔授業を行う準備を行っていきます。ただ、人文社会科学研究群・研究科を担当
する教員には、オンライン授業に習熟していない人もかなりいます。さまざまなアクシデントが起こることも予想されます。皆様
の多大なご理解とご協力をお願いしたいと思います。
皆様にご協力いただきたいことの一つとして、オンラインによる授業を実施できるようにするため、あらかじめカメラ・マイク
のついたパソコンまたはタブレット端末をご用意いただきたいと思います。カメラ・マイクは、内蔵されているものでもかまいま
せんし、ヘッドセット等を別途、入手していただいてもかまいません。
また大学に来られない場合に、動画の視聴が可能なインターネット環境*、オンライン授業に参加できる場所(自宅などの個室)
も確保していただきたいと思います。
*光ファイバーやケーブルテレビなどの高速回線、容量と速度が十分なモバイルWiFiルータなどが考えられます(WiFiルータは、1コ
マ=75分の授業で600Mb~1Gbぐらいを目安に、各自のコマ数に応じて容量を計算してください)。
ごく少人数で、教員が日常的に学生の健康状態を把握できる場合に限り、対面型の授業を行うこともありますが、その場合でも、
人文社会科学研究群・研究科としては、開講時期を秋学期や夏休み、春学期Cモジュール集中などに変更してもらいたいと考えてお
ります。対面型の授業を行う場合には、以下を徹底するよう、大学から通知されています。
(1) 以下の2条件がクリアできる環境で行う。
・換気をし、密閉された空間でないこと。
・常に学生間の前後左右の距離を1.5m以上保つことができ、少人数であること。
(2) 対面での授業の開講に当たっては、以下の観点に留意する。
・出席した学生の氏名・所属・学籍番号を確実に記録・保管すること。
・出席者には、マスク等を着用させ、当日の検温も行わせること(37.5度以上の熱のある学生は出席させない)。
・1.5m以内に接近するような状況が発生してしまった場合には、会話を行ったり発声したりしないこと。
なお、入学者の皆様には、オリエンテーションを実施することができません。
人文社会科学研究群のウェブサイト(https://www.hass.tsukuba.ac.jp/)に「4月入学者のみなさまへ」という情報を掲載してい
ますので、まずはそちらをご覧ください。
次に同ウェブサイトに、『人文社会科学研究群履修ガイド』を掲載しますので、必ずそれをお読みください。
そのうえで同ウェブサイトに、人文学学位プログラムの各サブプログラム、国際公共政策学位プログラム、国際日本研究学位
プログラムのウェブサイトへのリンクを貼っておきます。それぞれの学位プログラム、サブプログラムのオリエンテーションの
情報は、それぞれのウェブサイトで案内されます。
状況の変化によって情報更新もなされますので、研究群、学位プログラム、サブプログラムのウェブサイトは、適宜、参照す
るようにしてください。
皆様が新型コロナウイルスに感染することなく、この困難な状況を乗り越えられるようにしましょう。